チャルゲの視点

航空宇宙工学を学んで,畑違いの営業マンになった男が日々思うことをつぶやきます.

航空宇宙工学科の勉強内容とは?4力学を詳しく解説!

みなさんは飛行機や人工衛星の勉強はどんなことをするか知っていますか?

実は,他の学部に比べてかなり特化しており,非常に面白い内容となっています.

そこで,今回は航空宇宙工学科での勉強内容について紹介します.

学生の志望動機

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実は,周りの同期に聞くと飛行機や人工衛星に興味があって来たという人よりも,これからの時代は航空宇宙工学を勉強していると食いっぱぐれがないから来たという人の方が多いです(笑)

僕と同い年の学生は高校生の時に「これからの時代は航空とAIの分野に行っておけば良いよ」と先生に言われていた世代なので,そのような要因もあるのかもしれません.

飛行機の勉強をしたくて入学した僕が卒業後は営業職になり,航空宇宙工学にそんなに興味がない友人たちが大学院に進学するとは不思議なものですね(笑)

四力

それでは勉強内容について話していきたいと思います.

航空宇宙工学科で重要となるのは四力と呼ばれる4つの物理学です.

内訳は下のようになります.

  • 流体力学
  • 熱力学
  • 材料工学
  • 機械力学

ただし,これらは機械系工学部では共通科目なので,僕の学科にとって重要であるのは特段珍しいことはありません.

ですが,一般的な機械系が勉強する内容と違う部分が多くあるので,それについて以下で簡単に説明します.

流体力学

これは名前の通り,空気などの流体がどのような挙動を示すかを学ぶ学問です.

なんと中学・高校で習った数学で流体の挙動を表すことができるんですよ!

びっくりしませんか?(笑)

例えば,渦などなしで直線的に流れている場合であれば,y=axという数式で表すことができるのです.

また,渦がある流れの場合でも複素数を使うことによって表すことができます.

個人的に一番難しいですが,流体力学が一番好きです!

 

実は僕たちの学科で学ぶ流体力学は他学科で学ぶ流体と明確な差があります.

それは高速での挙動に絞って勉強するという点です.

普通の機械工学科だと車とかエアコン向けの部分を学ぶので,対象速度が遅いです.

エアコンなら数m/sで,車でもせいぜい100m/sくらいまでしか考えません.

対して一般的な旅客機は秒速230m/sくらいのスピードで飛んでいるので,僕たちは遅い部分はほとんど勉強せず,マッハ数1前後の流体の勉強しかしません.(マッハ1は約時速340m/s)

なぜなら,スピードによって気体の圧縮性が変化するため,流体の挙動が変わってくるからです.

特に音速を超えた場合は,音速を超えていない気体に対して性質が真逆になります.

このようのことを勉強できるのは他の機械学科にはない醍醐味かもしれませんね(笑)

熱力学

熱力学はどのように熱が広がっていくかを勉強します.

この学問は航空機のエンジンの性能や宇宙空間での衛星の利用方法に非常に関わってきます.

例えばですが,惑星探査機などが地球に再突入するときは大気との摩擦によって数千度の温度になるので普通の物体は溶けます.

でもせっかく持ち帰ったサンプルまで溶けてしまっては困るので,工夫しなくてはいけません.

その対策の仕方を教えてくれるのが,この熱力学です.

物体の温度はは物質の熱伝導率と移動速度に関連するので,それらを使って熱の挙動をどのように表すかを勉強します.

ただし,熱の伝わり方は大まかにパターンが決まっているのでそんなに難しくはないです.

もちろん難しくないのは学部レベルの話で,大学院レベルになると流体力学と絡んだりするために難易度は上がります.

材料力学

材料力学は構造物の強度を勉強する学問で,航空機や人工衛星の設計に必須です.

当たり前ですが,構造を考えて作らないとあっという間に構造物は壊れます.

航空機や人工衛星の構造は梁構造が多いので主にそれについて勉強します.

ただ,梁構造が多いとはいえ他にもいろんな種類があり,それぞれに公式あるため一番勉強に苦労しました.

材料力学関係の科目は再履になる人が一番多かったので,一番難しいともいえるかもしれません.

最近の複合材料や炭素繊維の理解には必須な学問なため,今企業が求めているのは材料に対して理解がある学生だと教授は言っていました.

これから大きく発展しそうな分野だと思われます.

機械力学

機械力学は機械の挙動を学ぼうという学問ですが,そういう名前の科目はありません.

振動工学や制御工学,システム工学をひっくるめたのが機械力学です.

振動工学では,物体の動きは大きく発散・収束・振動の3つに分類され,それぞれどのような数式で表現できるのかを勉強します.

制御工学では,システムへの外部からのアクションに対しての挙動を,制御回路ごとに勉強します.

システム工学では,システムの耐久性能や故障の発生確率の具体的な計算などを学びます.

航空宇宙工学科はこのような機械関連の授業が多く,本当にいろんな種類があります.

航空機設計工学,衛星通信技術工学,宇宙空間利用工学などピンポイントな授業ばかりで,航空宇宙工学科じゃないと絶対にこんなの勉強しないなと思うようなものが多くあります.

このようなニッチな分野を勉強できるのも僕らの学科の面白いところです.

演習

実はきついのがこの演習科目です.

この科目はどこの大学でも必修科目で,落とすと卒業できないですし,落とすと留年がほぼ確定します.

今まで習った内容を使って問題を解くのですが,知識が定着していないため全く分かりません.

しかも習ってない内容も分かる前提で出題されるので,かなり難しい科目です(笑)

でもこれのおかげでようやく航空宇宙工学の簡単な実践ができるので,楽しいっちゃ楽しいです.

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参考までにあまりまとまっていませんが,演習の計算をお見せします.

これは揚力と構造物の耐熱性の観点からスペースシャトルの飛行経路を求めよという演習問題でした.

制約条件が多く様々な式を使わなければいけなかったため,難しかったです.

しかし,自分の勉強した内容でこんな内容までシミュレーションできたので大きな達成感がありました.

まとめ

航空宇宙工学科で学ぶ内容を紹介しました.

かなり他の学科とは異なることをやるので,航空宇宙を好きな人からしたら非常に楽しい学科だと思います.

飛行機や人工衛星に興味がある方は,ぜひ参考にしてください.